適当にトリミングしてから縮小しています。クリックすると大きくなります。(たぶん)最近の写真はW=1500pxです。拡大表示するとぼやけます。

  

2012/06/27

誰でも撮れるチョウの飛翔写真(6/27)



「ネイチャーフォトの試験場」などというサブタイトルなのでたまにはネタをひとつ。

いきなりすごいタイトルを付けてしまいましたが、まんざらウソではないので、
暇な方はお付き合いください。
といっても、個人的な見解なので、科学的根拠はいい加減、無責任な文であります。

アサギマダラ  280mmトリミングあり、かなり離れた場所から

吸蜜中の写真より飛んでいる写真のほうが生きているって感じが伝わってきませんか。

一番簡単な飛翔写真の撮り方は、花に来ているチョウが飛ぶ瞬間を狙うことでしょう。
ここで、問題になるのは、タイムラグとチョウの飛翔速度、そして画角です。

普通の人は「飛んだ!」と思ってシャッターを切っても実際には指が反応するまでに0.2秒ほどかかるそうです。
面白いサイトがありました。自分の反射神経を試せます。
www.geocities.jp/popand_rock/game_reaction/
私の場合はMAX0.154秒でした。
これが人的タイムラグ。

次に、カメラにもレリーズボタンを押してから実際にシャッターが切れるまでにタイムラグがあります。
一眼レフ入門機では0.1秒程度、中級機で0.06秒、プロ機ではもっと速くて0.01秒台らしいです。

人的タイムラグとカメラのタイムラグを足したのが実際のタイムラグになります。

次にチョウの飛翔速度ですが、これは以前テングチョウの飛翔で検証してみましたが、約7km/h。
これは秒速1.94mになります。
花から飛び立つ瞬間はゼロからスタートですから、少なく見積もって秒速1mとしてみましょう。

タイムラグは人的タイムラグ0.2秒+カメラのシャッタータイムラグ0.06=0.26秒とすると、
この間にチョウは0.26m=26cm移動しています。
キアゲハ 飛んだ瞬間にシャッターを切ってもこれだけ花から離れます。100mm
私の場合70-200mmのズームを使っていますが、200mmではチョウまでの距離が1.2mの場合、
横幅15cmが画角(写る範囲)です。
2mの距離だと25cm、3mだと36cmの範囲が写ります。
100mmでの画角は200mmの倍になります。

タイムラグからして200mm最短距離でドアップの飛翔写真は無理なのが解ります。
キアゲハの4コマ連写合成 100mmレンズ 四角は200mmレンズの画角
しかしながら、100mmにすれば、かなりの確率で撮れそうです。


しかし、より近づいてアップで撮るにはどうするか? それが本日の課題です。

課題の解決策

解決策その1  タイムラグを小さくする。

タイムラグを小さくすれば狙った花よりチョウは離れずに撮れることになります。
そうすれば、もっとアップで撮れるでしょう。

どうすればよいか。→  人的タイムラグを小さくする。
人は集中力を極限まで高めると異常なほどの能力を発揮します。             
火事場の馬鹿力と一緒です。その意味でそれほど難しい事ではありません。
ただし長い時間集中力を持続するのは無理ですが。

そして Don't Think,Feel! であります。(もろパクリ)

解決策その2  勘を養う。:実はこれががもっとも重要です。

どうすればよいか。→  
止っているチョウがどの方向に飛ぶかは狭い画角の中に納めようとするとき重要なことです。
左右どちらへ飛ぶか、近づいてくるのか、遠ざかるのかで、飛翔撮影の成功と失敗の明暗が決まります。
これはほとんど勘に頼るわけですが、良くチョウを観察することで、勘の当たる確率が高くなります。
花から花へ蜜を吸いに飛び廻るチョウは、まるっきり出鱈目に飛び回るわけではありません。
どんな花が好きか、どんな順番で花を廻っているか、じっと見ていると行動の傾向パターンが見えてきます。

この辺なら撮れそうだ、という場所に先回りして花に止まるのを待ち、飛びたつ瞬間を狙います。
このとき連写は無用です。近接撮影で200mmの画角では、2コマ目はもはや写りません。
あくまでワンショット狙いであります。
ミヤマシジミ 200mm 2コマ目はもはやフレームアウト
解決策その3  運を待つ :運は自分で引き寄せる

どうすればよいか。→  
気長にチョウを見ていれば、風に乗ってゆっくり舞い上がる場合もあれば、絶妙な場所に来てくれる場合もあります。
勘を養えば運も自ずとついてくる、そういう気持ちが大切です。
血眼になって追いかけると疲れるだけ、チャンスはあります。
ミヤマシロチョウ この場所で飛翔写真を撮れたのは勘と運ですが、偶然ではありません。


おっと、技術論のはずがいつのまにか精神論に変わってしまった。

とりあえずまとめてみると、
「チョウの飛翔写真は100mmレンズで2mほどの距離から花に止まっているチョウにピントを合わせ、ひたすら飛ぶのを待つ。飛んだ瞬間にシャッターを切るとうまく撮れる場合がある。」
となりますか。

※ 写真はすべて2011年撮影のものを使いました。




2012/06/24

里山通信(6/24)

梅雨の晴れ間、日差しは暑くもなく蝶の撮影には絶好の日よりです。

さて冬場に卵を撮ったウラキンシジミがいよいよ成虫となって出てきました。
成虫は1年ぶりの再会です(6/23)
葉の上の水滴を吸っています(6/24)
翅の模様が違うので別個体ですね。一気に羽化が始まっているようです。

ミズイロオナガシジミ 羽化直後で翅を伸ばすためにジッとしています。
ミズイロオナガシジミ 別個体で翅を開いたところ
メスアカミドリシジミも出てきました。いささか遠すぎ
夏のチョウの代表格のオオムラサキ 本日初見
テングチョウは大発生中 遊歩道の砂地で群れをなして給水しています。
人が通ると一気に舞い上がります。
羽化したてのチョウは皆給水行動をまずとるようですね。

スジボソヤマキチョウに襲いかかるモンシロチョウ
モンシロチョウの♂が相手を間違えてスジボソヤマキチョウの♀に求愛行動を仕掛けています。スジボソヤマキの♀は素知らぬ体で無視していると、モンシロチョウはスジボソの翅の上に乗っかってきました。

のんびり花から花へ吸蜜に廻るのはウスバシロチョウからキアゲハに変わりました。
まあ、とにかく里山はチョウでいっぱいです。紹介しきれません。





2012/06/17

赤いのとか(6/17)

冬の寒さは厳しかったけれど、毎年同じように決まった時期にゼフィルスは出現しますね。
緑色に光るやつはもう少し後かな。
アカシジミ
ウラナミアカシジミ
ミズイロオナガシジミ
ウラゴマダラシジミ
ウラゴマダラシジミ 翅を開いたところを1枚
みんな羽化したての様で綺麗です。





2012/06/10

今日のチョウ (6/10)

春のチョウと夏のチョウの入れ替わりの時期です。
新しく出てきたチョウから
ゴマダラチョウ 本日初見
オオムラサキの親戚筋のゴマダラチョウは年2回発生します。1回目は今頃からでオオムラサキより少し早めです。ちなみにオオムラサキは年1回の発生。
この時期のゴマダラは裏面が写真のように白っぽいのが多いみたいです。
コチャバネセセリ 本日初見
小さいセセリチョウ。クローバーの花と比べると大きさがわかりますね。

モンシロチョウ 
春からいままであまり姿を見なかったんですが、今日は沢山出ていました。こうしてみると結構綺麗だったり。

イチモンジチョウ これも本日初見
どんどん夏のチョウが出てきます。

一方春から出ているのは、
ウスバシロチョウ
少々くたびれてきましたが、まだまだ健在。6月いっぱい見ることができるでしょうか?

カラスアゲハ
カラスアゲハは結構派手目な色をしているんですが、飛翔写真ではなかなか良い色がでませんでした。今日のはいいかも。

さて最後にミヤマシジミです。今頃から発生して秋まで見ることができますが、
これも今年初見です。
ミヤマシジミのオス
ミヤマシジミのオスは表が青、裏は地が灰色っぽい。メスは地が濃い茶で裏も茶っぽい。
こちらがミヤマシジミのメス
メスがちょっと翅を開いたところ
メスは時として後翅表面に青い鱗粉がのることがあって、これがそれです。

毎度日曜日は里山巡回ですが、季節の移り変わりとともに代わっていくチョウたちを眺めることは、珍しいチョウを追いかけるよりも私にとっては楽しいのであります。














2012/06/03

初夏ですね (6/3)

なんか梅雨時みたいな天気です。
ガマズミの花が咲き始めました。
ここはカミキリムシの格好のえさ場、この花が大好きです。
花の上を歩き回って受粉の手助けです。
トラカミキリ
ベニカミキリ
花に集まるカミキリムシは原色系が多いですね。小さいけれど美しい。

チョウはといえば相変わらずウスバシロが飛び廻っています。♀が多いかな。
逃げるウスバシロ、追うキバネツノトンボ 
優雅に飛んでいるウスバシロチョウの平和を乱すのはキバネツノトンボ。
自分の近くを飛ぶものを見つけると飛びかかって行きます。それが♀だと交尾をしかけ、
小さい虫だと餌になったり。さすがにウスバシロは大きすぎて餌にはなりません。

☆☆☆☆☆

さて、遊歩道を歩いていると何やら木柵にぶら下がっているものがあります。
ヒオドシチョウの前蛹と蛹が並んでぶら下がっています。
一度に両方見ることができるとはラッキーでした。
見渡すとあちらこちらにぶら下がっています。
しっぽの部分を糸で固定してぶら下がり、蛹になる準備段階が前蛹です。
みんな同じ格好で、同じ方向なのが面白いですね。なぜでしょう?