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2017.01.01 |
遅ればせながら
「謹賀新年 ことしもよろしく願います」
年末から年始にかけて実に穏やかな日が続きました。
気温はそう上がらなくても日差しがあるとオオイヌノフグリやホトケノザが咲き、ナナホシテントウも出てきます。
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オオイヌノフグリ 深度合成ちょっと失敗 |
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ホトケノザ EF-M22mmF2開放 このレンズ逆光のボケがあまり良くない。なんか緊張感がある。 |
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ナナホシテントウ 冬でもアブラムシが葉っぱの下の方にいるんですよ。 |
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フユシャクではないけれど、小さな蛾の成虫が沢山いました。 |
12月中は忙しくて廻れなかった雑木林を年末年始は集中して廻ってみました。
越冬卵は例年に比べて少なく、これは昨年成虫が少なかったことに起因しているのでしょうか。
いつもの公園内ではコナラ、クヌギでは去年以降全くと言っていいほど見つかりません。
ウラキンシジミはいつもとは違った場所でいくつか発見。分布範囲が移動もしくは広がっているようです。
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ウラキンシジミの越冬卵 |
ウラキンシジミは写真のようにトネリコの木の幹の根元あたりにまとめて何個か産みますが、概ね幹の北側です。ただ単発で産んであったり、地表から2m位の高さに産んであったりするのも見かけます。
一方公園を離れて近くの雑木林ではハヤシミドリ、クロミドリ、ダイセンなどを見つけることができました。
そう離れていない雑木林なのにこの違いはどこから来るのでしょう。
この雑木林は山の南側から西側の斜面にあたり、多くの木は樹齢10数年程度と思われ、あまり密集していません。
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こんな雑木林です。 |
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ハヤシミドリ1 |
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ハヤシミドリ2 |
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カシワの枝 赤丸の真ん中の白い点が越冬卵です。 |
ハヤシミドリはこの雑木林のカシワでいくつか見つけることができました。高さは1~2mといったところ。
ハヤシミドリはファボニウスという良く似通ったミドリシジミの仲間に属していますが、この仲間は卵もそっくりで種の特定は状況判断でしています。すなわち、カシワに産むのは、この辺では十中八九ハヤシミドリでウラジロミドリは少し小さくてもっと高い場所に産む、オオミドリシジミは逆に低い場所に産む、しかも本来はコナラの幼木を好むので、あえてカシワには産まないだろうという判断です。
ですから100%間違いないという保証はありません。
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ダイセンシジミ |
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コナラの枝先で赤丸のところ、冬芽の付け根についています。 |
ダイセンシジミはカシワにも産卵しますが、コナラを好んで産卵します。高さ的には手の届く範囲に見つけられますが、もっと高い所にも産みます。枝先の冬芽の付け根に2、3個産むのが普通です。この卵は針状突起が細くて長いのですぐダイセンだとわかります。
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クロミドリシジミの越冬卵 |
クロミドリシジミは他のファボニウスがコナラの方を好むのに対して、クヌギに産卵します。
ただ、産卵場所は木の高い場所なので、風に吹かれて折れて落ちた枝に付いているを見つけます。
(高枝切りばさみで枝を切る方法もありますが、そこにいるとは限りません。)
まあ手の届く範囲での観察ですからすべての越冬卵を調べられる訳ではありません。エゾミドリやアイノミドリも高い場所に産卵するので、見つけることはできません。
また今年はミズイロオナガがなかなか見つからないのは、ひょっとしていつもより高い場所に産卵しているのかもしれません。
---おまけ---
N氏に越冬中のクワエダシャクの幼虫を教えてもらいました。
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どこにいるかわかりますか? この写真だとわかっちゃうか。 |
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アップにするとよくわかります。 |
アップにするとそれとなくわかりますが、いるんじゃないかと疑って見つけないとまずわかりません。もう枝になりきっていますから。でも触るとフニャッと曲がるのでバレちゃいます。
アップの写真の1週間後が上の写真です。場所が変っているので移動したようです。
春までじーっとしているわけではなさそうです。